今年のノーベル生理学・医学賞は、絶滅したヒトのゲノムと人類の進化に関する発見ということで、ゲノム科学の先駆者に贈られました。
受賞者のスバンテ・ペーボ教授は、発掘された古代の人骨などからDNAを抽出して解析する方法を確立し、現代人と共通する遺伝配列情報を比較して、絶滅した近縁種の古い遺伝子が現代人にも影響していることを示したことが評価されたとのことです。ペーボ教授は、ネアンデルタール人のゲノムを解析し現代の人類にもネアンデルタール人の遺伝情報の一部が受け継がれていることや、デニソワ人という古代人が存在したことを新たに発見しました。「過去を知るための考古学的な遺跡の発掘のように、ヒトゲノムの発掘を行っている」という言葉が印象的でした。
今回の受賞により、人類がどこから来てどこへ行くのかという根源的な問いに答えるためにゲノム科学が重要な役割を果たすことが改めて示されました。今後、益々ゲノム科学に関係した成果が注目されると思われます。当社も生物種あるいは時代に関わらず、「ゲノムの発掘」に次世代シーケンス技術からお役に立ちたいと思っております。