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2024年のノーベル賞(物理学と化学)はAI関係に

今年のノーベル物理学賞は、アメリカのプリンストン大学のジョン・ホップフィールド教授と、カナダのトロント大学のジェフリー・ヒントン教授の2人と発表された。

ホップフィールド教授は人間の神経回路を模倣した「人工ニューラルネットワーク」の統計物理学の格子モデルに近いホップフィールドネトワークモデルで、AIの初期に物理学の理論で有名でした。

ヒントン教授も統計物理学のモデルのボルツマンマシンを用いるなど、行き詰まっていたAIの手法の改良を重ね学習した画像などの大量のデータをもとに可能性の高さから未知のデータを導き出すアルゴリズムを開発し、20世紀には不可能と思われていたAIを現在のように可能にしたブレークスルーをもたらした中心人物です。

今年のノーベル化学賞の対象はAIによるたんぱく質構造のアルファフォールド関係でした。たんぱく質構造はDNAの情報を基に20種類のアミノ酸の配列を予測し、1次元の配列情報から3次元の折り畳まれてそれぞれのたんぱく質特有の立体構造を形作る。たんぱく質の構造から構造を形成しないように化合物を差し込んだりすることで創薬などにつながるが、X線やコンピューターなどを使った従来の手法では、アミノ酸の1次元配列からどのようなたんぱく質の立体構造になるかを予測することは難しく、2002年頃のバイオインフォーマティクスの教科書には達成できないという意味を込めてHoly Grail of bioinformatics (バイオインフォーマティクスの聖杯) とも書かれていました。

受賞者のハサビス氏とジャンパー氏は、アミノ酸配列などのデータベースを基に、たんぱく質の構造を高精度に予測するAIモデル「アルファフォールド」を開発。これまでは構造を特定するのに何年もかかっていたが、わずか数分で完了できるようになり、格段に構造予測が身近になりました。

情報と物理や科学の境界が薄れてきた現在、ゲノムの分野でホモロジーサーチなど基本的なツールを開発した先駆者にもノーベル受賞が期待できそうです。

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